現在、多くのサブスクリプションアプリがAI機能をできるだけ早く追加しています。そして、それは実際に効果を上げています。プロダクトのデモは印象的になり、エンゲージメントは急増し、その機能はすぐにアプリやユーザー体験の中心的な存在になります。しかし、その裏側では別のことが起き始めています。生成のたびに、プロンプトのたびに、「再生成」ボタンがクリックされるたびに、ユーザーにサービスを提供するコストが静かに(しかし急速に)増加しているのです。
最近、複数のAI搭載サブスクリプションアプリと関わる中で、このパターンに気づきました。本来促進したい行動――より多くの利用、より多くの探索、より多くのインタラクション――が、マネタイズとインフラが連動して設計されていない場合、利益率を圧迫してしまうのです。
AIは単なるプロダクト機能ではありません。インフラです。したがって、リリース前にAIの利用量をARPU、チャーン、LTVと照らし合わせてモデリングしていない場合、エンゲージメントを高めながら、気づかないうちに経済性を損なっている可能性があります。
ユーザーエンゲージメントはもはや無料ではない
サブスクリプションビジネスは構造的に効率的です。少なくとも、これまではそうでした。コアとなるプロダクト体験を構築してしまえば、アプリ内で追加のサブスクライバーにサービスを提供するための限界コストは通常ほぼゼロに近く、スケールするほど経済性は複利的に向上していきます。(この点については、Thomas Petitが「なぜハイブリッドマネタイズがサブスクリプションアプリのデフォルトになるべきか」というブログで触れています。)
一方でAIは、この美しい構造を崩します。AI機能を導入することで、機能単位での変動コストが発生します。ユーザーがAI機能を利用するたびにトークンが消費され、推論エンドポイントが呼び出され、サードパーティのプロバイダーに計算コスト(AIモデルを動かすためのハードウェアリソース)を支払う必要があります。
要するに、コスト構造は利用量と切り離せなくなります。
これにより、微妙ながら重要な緊張関係が生まれます。これまで増やしてきたエンゲージメントそのものが、今度は追加コストを生む要因になるのです。エンゲージメントが高まるほどAIの呼び出しが増え、AIの呼び出しが増えるほどインフラコストが増加します。そして、収益がそれに比例して拡大しない限り、粗利率は徐々に低下していきます。

